北海道の革靴オタクが語る 冬の革靴 「雪」「滑る」対策

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冬、革靴事情は関東などと北海道のような雪国ではまるで変わってきます。ポイントは「地面が凍るか」「雪があるか」です。

 

 

底が硬く滑らかなレザーソールなどで雪国をあるくことは、もはや自殺行為とも言えるでしょう。

 

しかし、冬に革靴を履くメリットもあります。それは革靴の保温性です。革は緻密に線維が絡まりあった構造の網状面と表面の銀面から成ります。

 

その構造ゆえ熱を逃がしづらい革靴は、足が冷たくなりづらいのです。

 

 冬の革靴の2大問題である、「滑る」と「濡れる」ことに上手に対応して、冬でも革靴を楽しみましょう。

 

 

革靴は滑るけどどうすればいい?

 

 残念ながら雪国では対策をしないと冬に革靴を楽しむことはできません。何故なら、市販されている革靴の多くが“滑る場所を歩く”ことは前提として入ないからです。

 

その為、靴底のほとんどが凹凸の少ないラバーや、革で作られています。

滑ることに対する対処法は主に2つです。

 

しっかりとした凹凸のあるゴムの靴底の革靴を買うか、持っている革靴の底に滑り止めを貼るかです。

 

見た目が気にならない場合は、オーバーシューズという革靴ごとすっぽり覆うゴムの靴や、革靴用のアイゼンなどもあります。

 

 

しっかりとした凹凸のあるゴムの靴底の革靴を買う

 

 雪のない地域の店舗では雪国仕様の革靴はあまり見かけませんが、需要のある雪国では秋の終わりくらいから売っている事が増えます。

 

革靴を買う際に、必ず靴底を確認して買いましょう。レザーソールが最も滑ります。滑りづらいのはゴム底のものです。

 

 

持っている革靴の底に滑り止めを貼る

 

持っている革靴に滑り止め加工をする場合、修理店などの店舗にお願いするか、自分で道具を買って加工をするかになります。

 

修理店のメリットは、やはり自分でやるよりもはがれてしまうなどの問題が起きづらいことです。価格は2000~5000円くらいが目安でしょう。

 

自分で加工をする場合は、数百円で行う事も出来ます。

 

しかしはがれてしまっては意味がありません。しっかりと貼るにはコツがあります。まず、ボンドは靴用の物を選択すること。両面に塗って乾かしてから張り付けるものは接着力が高いです。

 

次に、貼りつる面の汚れを落としてよく乾かし、目の荒いやすりで靴底と滑り止めシートなどの表面をざらざらにするとよりしっかりボンドが付きます。

 

最後に、貼りつけた後にシートと靴底のキワに一周ぐるりと瞬間接着剤などを塗りましょう。水が入り込みづらくなり、はがれることを防いでくれます。

 

 

革靴は濡れても大丈夫?

 

雪と言っても水分です。革靴が濡れることは大丈夫なのでしょうか。

答えはNOです。

 

人工皮革やエナメルなどは表面がプラスチックやガラスなどの薄い膜のため水分に強いですが、革靴はつるつるして見えてもやはり生き物の肌です。

 

ずっと水に手を付けていると肌がしわしわしてくるように、革靴が濡れることは型崩れや染みなどにつながります。

 

 

まずは革靴を水に強くする

 

革靴を水に強くするには、防水スプレーを活用しましょう。防水スプレーは二種類、表面に膜をつくるシリコン系のものと、革にしみこんで水をはじくようにするフッ素のものです。

 

シリコン系のものは、安価ですが表面に膜を作るので革靴のツヤなどが失われる可能性があるので注意しましょう。

 

フッ素系のものはツヤなどが失われづらく、表面に膜を作るわけでもないので、スプレーを施した後でも磨くことが出来るなどのメリットがありますが価格は高いです。

 

 

革靴が濡れてしまった場合

 

革靴が濡れてしまった場合はどうしたらいいのでしょうか。

ストーブやドライヤーで乾かすのは絶対にやめましょう。ひび割れなどの原因になります。

 

まずは柔らかいタオルなどで表面や内側の水分をできるだけ取り除きます。

 

次に新聞紙や乾燥剤を入れて大まかに乾かします。新聞紙の場合は、しっとりしてきたなと思ったタイミングで新聞紙を交換するとより早く乾きます。

 

最後にシューキーパーを入れて型崩れを防ぎつつ、直射日光が当たらない風通しのいい場所で1~2日ほどよく乾かしましょう。

 

よく乾いた後に重要なのは、そのまましまってしまわずに一度水分油分を与えて磨くことです。そうすることで、水分にも多少強くなります。

 

 

まとめ

 

 革靴が滑る時は、凹凸のしっかりしたゴム底の革靴を選択するか、靴底に滑り止めを貼りましょう。

 

 革靴は防水スプレーなどを活用し、濡れてしまったときはしっかり乾かしてから一度、磨いて栄養を上げることが重要です。

 

冬の雪国では道路に常に雪があるため革靴が濡れやすく、型崩れやカビの起きやすい時期です。

 

しかし、指先の感覚がなくなる程冷え込む雪国だからこそ、保温性の高い革が活躍します。また、足首よりも長いブーツタイプの革靴であれば、滑ったときの捻挫防止などにもなります。

 

こまめに磨かれている革靴は、磨かれていない革靴に比べて水分にも強く、カビなども発生しづらいです。

 

厳しい冬だからこそ、暖かい部屋でゆっくり革靴を磨きあげるのも楽しいのではないでしょうか。