雨の日でもおしゃれな革靴を履いて出かけたい!
雨の日でもスエードの靴を気兼ねなく履きたい!
そう思っている方、大変多いと思います。
でも雨に濡れると
シミになったり・・・
革が硬くなったり・・・
型崩れしたり・・・
そんな不安があって中々スエード靴を雨の日に履けないなんてことありませんか?
そうならないための対策と対処法を順番に考えていきましょう!
雨の日は防水スプレーに頼ろう
防水スプレーの効能
靴に防水スプレーをかけることで雨水をはじく作用が生じることはご存じだと思います。
その作用は防水スプレーの中に含まれるフッ素が革の表面に皮膜(革を保護する膜)を作ることで生まれます。
スムースレザーと違いスエードの靴は革の表面を長く密集した毛で覆われています。
防水スプレーをかけることで、この密集した毛にフッ素がまとわりついて、より強力に雨水が内側に浸透するのを防ぐのです。
普段のお手入れの最後に防水スプレーをかけよう
防水スプレーをかけることで革の表面に皮膜ができ、雨水だけでなくキズやスレからも革を守り、埃や汚れにも強くなります。
その為、新品の状態や普段のお手入れの最後の仕上げとして防水スプレーをかけておくことをお勧めします。
ラバーソール(ゴム底)の靴を選ぼう
グリップ力の違い
雨の日は路面が濡れているためレザーソール(革底)の靴で歩くのは大変危険です。
理由はグリップ力が無いからです。
路面が濡れているということは表面に水膜が出来ていることになります。
この水膜が靴底との摩擦係数を減らし大変滑りやすい状況を作ります。
車が雨の日にスリップしてしまう現象を思い描いてもらえると分かりやすいと思います。
タイヤの溝が少なければスリップを起こしやすくなりますよね。
革底の靴にも凹凸がありませんので踏ん張りが効かないのです。
雨水の浸水を防ぐ
また、革底の靴は歩けば歩くほどに路面の水分を吸収してしまいます。
そして吸収した水分は徐々に内部に浸透していきます。
結果、不快な履き心地となってしまいます。
注意して頂きたいのですが、革底の表面に防水スプレーを施せば大丈夫ではないかと考える方がいますが、これはお勧め出来ません。
理由は簡単です。
歩けば歩くほど路面との摩擦で防水効果が落ちて無くなってしまうからです。
良い考えではないのでやめましょう。
その為、雨の日にはラバーソールの靴を履くことを断然お勧めします。
ここからはスエード靴が雨に濡れてしまった時の対応について書いていきます。
防水スプレーをかけて雨水から靴を保護していても、長時間外で履いていれば徐々に水分が浸透してくることがあります。
そんな時の対応を状況別に考えていきましょう。
靴の表面が濡れてしまった時
シューキーパーを使おう
靴の表面だけ濡れている状態で内側まで染み込んでいない場合には
まず、シューキーパーを入れて型を整えます。
表面の水分を拭こう
次に乾いた柔らかい布を使って革の表面の水分を拭いていきます。
やり方は
革の表面を軽くたたく→軽く押して水分を布に移す
を繰り返し行い水分を抜いていきます。
表面に残っている水分を布に吸収させるイメージで行って下さい。
この時に注意していただきたいのが、決して革の表面をこすらない事です。
こすってしまうと革の表面を傷めてしまったり、色あせの原因にもなってしまいます。
スエード靴は長い毛で覆われています。
毛に浸透してしまった水分を拭ってあげるつもりで行いましょう。
内側まで水が浸透してしまった時
内側の水分を取り除こう
靴の表面だけではなく内側まで水分が浸透してしまっていた場合
まず、乾いた布や新聞紙を靴の中に詰めます。
濡れている革の内側に触れるようにしっかりと詰めましょう。
出来るだけたくさん詰めることでシューキーパーを入れた状態に近づけられ履きジワも伸びて良いと思います。
次に乾いた柔らかい布を使って革の表面の水分を拭く作業をします。
革の表面を軽くたたく→軽く押して水分を布に移す
を繰り返し行い水分を抜いていきます。
自然乾燥をしよう
今回は靴の内部まで水が浸透してしまっているため、表面の水分を全て拭き取ろうとしてもなかなか難しいです。
その為、表面の水分をある程度布に移すことが出来たら、あとは自然乾燥で乾くのを待ちましょう。
日の当たらない風通しの良い所で陰干しをして自然乾燥して下さい。
濡れ具合にもよりますが、1日~2日ほどかかる場合もあると思います。
急いでいたとしても決してドライヤーや乾燥機を使って乾かすことは避けて下さい。
革が固くなりヒビ割れを起こしたり、色あせの原因となることがあります。要注意です。
靴が乾いたら最後にスエード用の保革スプレーをかけて革に栄養を与えて馴染ませます。
白くシミが残ってしまった時
最後に乾いた革靴に白くシミが残ってしまうケースがあります。
この対処法を考えていきたいと思います。
シミの原因
シミの主な原因は革の中に含まれていた塩分が雨に濡れたことで表面に浮き出てきたことによっておこります。
もともと、足の裏やつま先は身体の中でも汗を掻きやすい場所だと言われており、両足で1日200ml(コップ1杯分)くらいの汗を掻きます。
その汗を吸収し乾いた時に残った塩分が革の内部には蓄積されているのです。
スエード靴のシミの除去方法
こちらは私が実際に行っていたシミの除去方法を記載致します。
準備していただきたい物は
・湿らせたタオル
・新聞紙もしくは乾いているタオル
この2つです。
まず靴の内側に新聞紙もしくは乾いたタオルを詰めます。
次に湿ったタオルを使って革の表面に浮き出てしまった塩分を取り除く作業をします。
湿らせたタオルで革を軽くたたく→軽く押さえる
この作業を繰り返し行い、革の表面の汚れをタオルに移す作業を行います。
シミのある場所の外側(シミの薄い場所)から徐々に内側(シミの濃い場所)に向かって進めて行って下さい。
前述しましたが決して革の表面を強く拭きとる作業はしないで下さい。
革を傷めることになりますので要注意です。優しく行って下さい。
何度か繰り返し行っていると、靴の内部にも水分が浸透していきます。
内部の水分は靴の中に詰めた新聞紙やタオルで吸収させて下さい。
ある程度水分を吸収したら新しいものと交換して下さい。
革の表面に浮き出ていた白いシミが見えなくなったら日の当たらない風通しの良い所で陰干しをして自然乾燥します。
乾いてシミが無くなっていたらスエード用の保革スプレーをかけて革に栄養を与え馴染ませます。
もしシミが残っているようであれば、もう1度同じ工程を繰り返します。
ただし、上記方法は1度のシミ抜きで2回までが限界です。
理由は革の中に含まれる脂分もシミや汚れと一緒に抜けてしまい、何度も繰り返すことで革が痩せてヒビ割れが入ったり、切れたりしてしまうことがあるからです。
ダメなら専門の靴修理業者へ
上記方法を試してもシミが取れなければ修理の専門業者に相談してみましょう。
どこの靴修理業者でもシミに対する修理項目がありますので思い切って相談してみることも良いと思います。
まとめ
革靴は革靴でもスエードのお手入れは違います。
汚れが染み付いて目立ちやすい、水が染み込みやすいなどスエード特有の性質があります。
それでもしっかりと手入れすれば10年と履ける革靴なのです。
しっかりと手入れを把握し、スエード靴を履きこなしていきましょう。