フランス最高級革靴メーカーとして知られるJ.M. WESTON(ジェイエム ウエストン)。
革靴好きにはたまらない革の美しさ、フランスらしさ漂う完成されたフォルムなど、その魅力は数知れず。
そんなJ.M. WESTONの魅力とともに名作をご紹介致します。
J.M. WESTONについて
1891年創業のフランスの老舗シューズメーカー。
創業者エドゥアール・ブランシャールと後にその息子、ユージェーヌがJ.M. WESTONの前身となる靴の工場を設立しました。
ユージェーヌはアメリカの近代的な靴の製法について学ぶ為に渡米します。
それが現在でも使われているグッドイヤーウェルト製法になります。
2代目となったユージェーヌはパリに現J.M. WESTONの直営店をオープンさせたのがこのブランドの始まりです。
豊富なサイズ展開
靴のサイズといえば、25cmなどといった長さだけの物が多いですが、J.M. WESTONは長さに加えてウィズ(横幅)の展開があります。
なんとその数、モデルによっては3〜6段階!
通常のサイズも5mm単位ではなく4mm単位と、細かく設定されています。
タイトなフィッティングで勧められますが、革靴特有の馴染むことを見越してのサイズ感なのでご安心を。
横幅の問題でハーフサイズ上げたり下げたりして、なかなかぴったりの革靴に出会えたことがなかった方でもきっと見つかるはずです。
最高級のレザー
J.M. WESTONといえば素材の良さで有名ですが、数年前までは品質が高くフランスで有名なタンナー、デュプイ社を傘下に入れて使用していました。
現在はエルメスの傘下となってしまいましたが、それ以降も革の質は落ちていません。
パッと見ただけでも一目瞭然のキメの細かさが特徴です。
キメが均一に整うことで、J.M. WESTON特有の光沢感が生まれています。
ソールにもこだわりあり
J.M. WESTONの革靴の大半はレザーソールを使用していますが、世界で唯一、底材のなめしまで自社で行っています。
18世紀から続く伝統的ななめしの工程は、約12ヶ月もかかるそう。
採用している超低速のベジタブルタンニンなめしというのは、履きこむ程に革が柔らかくなるのが魅力で、自分の足の形・歩き方に馴染んできた時の履き心地はたまりません。
J.M. WESTONの定番モデル
最高級シューズメーカーだけあって、選び抜かれた素材や縫製の美しさが光る名作が多数あります。
そんな魅力ある革靴をご紹介致します。
180 シグニチャーローファー
今の形が出来上がるまで、200以上のモデルを経て完成されたのがJ.M. WESTONの名作、シグニチャーローファーです。
1946年に発表され、同じラストで70年以上もの人気を誇っています。
丁寧なモカシン縫いや、グッドイヤーウェルト製法ながらも上品に見せてしまうコバの計算されたバランスなど、アメリカとはまた違った雰囲気が随所に見られます。
デザインがいたって普遍的であるからこそ、その素材の上質さが際立ちます。
641 ゴルフ
シグニチャーローファーと並んで人気があるUチップダービーシューズ、ゴルフ。
適度な丸みのラウンドトゥがフランスらしさを感じられる一足です。
名前の通りゴルフをする時に履く靴として作られ、ラバーソールでも特にタフなリッジウェイソールを採用しています。
オンオフ問わずファッションに合わせられるので汎用性の高さが人気の理由のひとつです。
別売りのキルトをつけて楽しむのもオススメですよ。
677 ハントダービー
ハントダービーは同じUチップのゴルフとは違い
、グッドイヤーウェルト製法ではなく、登山靴や雪用の靴に見られるノルウィージャン製法を採用しています。
なんとこの製法、手縫いで施しているのですが、この技術をできる職人が現在3人だけというのが驚きです。
また、つま先部分はスキンステッチと呼ばれる、縫い進める際に針を表に通さず、内側のみを縫う縫製方法を取り入れています。
手間のかかるノルウィージャン製法、高度な技を必要とするスキンステッチなど、職人技が詰まった一足となっています。
ソールもレザーを3枚重ねたトリプルソールで重厚感が見て取れます。
705 サイドゴアブーツ
アッパーの真ん中に入った鼻筋(クリース)が特徴的なサイドゴアブーツ。
革を傷めてしまうので高度な技術を要し、一筋入れるのにも約2週間かかるのだそう。
ブーツということもあって使う革の面積が大きいにも関わらず、一枚革で仕上げてしまうのが圧巻です。
縫い目がどこにもない分、究極のシンプルさ。
1960年代頃にロンドンのチェルシー地区で大ブレイクしていたこともあり、別名チェルシーブーツとも呼ばれています。
まとめ
革靴好きならいつかは手にしたいJ.M. WESTON。
是非、店頭でその美しさと高いフィッテング性を実感しに行ってみてくださいね。