1873年革靴の聖地、イギリスのノーザンプトンで創業したChurch’s(チャーチ)。
革靴好きにはたまらないクラシカルな出で立ちが素敵ですよね。
ただ正統派なイギリス靴では終わらせない、素材へのこだわりや意外にもタフな作りというのはご存知でしょうか?
今回は、イギリスの正統派ブランド、チャーチの魅力に迫ります。
Church’s チャーチ の魅力
・作りが丁寧
作りが丁寧というだけでは他の革靴も当たり前なのでは?と思ってしまいますよね。
チャーチは、250もの工程をクリアしたものだけが店頭に並ぶのです。
期間でいうと1足仕上がるのに8週間もかかるそう。
・タフな作り
クラシカルで正統派のイギリス靴。
タフな登山靴や軍靴を元に作っている革靴などと比べると耐久性は期待できないのでは?と思われるかもしれませんが、19世紀初めからグッドイヤーウェルト製法を採用しており、耐久性の高さも伺えます。
チャーチが独自に開発したポリッシュドバインダーカーフと呼ばれるレザーも耐久性が優れていることで有名です。
ポリッシュドバインダーカーフとは、表面に樹脂コーティングをしたレザーのこと。
特殊コーティングが施されていることにより、通常の革靴とまた違ったエイジングの仕方で、一般的なガラスレザーはシワの入り方が汚いと言われがちですが、ポリッシュドバインダーカーフはその名の通り革が美しいカーフ(生後6ヶ月以内の子牛)を使用しているので、美しさは保たれたままなのも魅力的です。
・靴に左右をつけたのはチャーチが初!
1870年代までは靴に左右の差がないのが一般的でした。
初めて靴に左右をつけて製造・販売したのはチャーチが初めてと言われています。
また、それまで1cm単位だったサイズ展開に、さらに細かくハーフサイズを作ったのもチャーチなのです。
このように、革靴業界に様々な革命を起こしています。
・クラシカルからモダンまでデザインが豊富
プラダの傘下に入ってからは、比較的丸みを帯びたシルエットが多いチャーチでしたが、若者向けに細身のシルエットやスタッズがついたモードなデザインの革靴も発表しています。
その中でも、革靴愛好家からは昔のラストを求める人も多数いたので、旧モデルに近い物を発表したりと、今では幅広いデザインを展開しています。
チャーチの定番靴
チャーチの魅力をお伝えしてきましたお次は、長年愛されている定番靴を3つご紹介致します。
・Shannon(シャノン)
外羽根プレーントゥシューズ。
シンプルだからこそ、光沢のあるポリッシュドバインダーカーフの上質な質感が際立ちます。
通常より張り出したコバと、トリプルソールの重厚感も感じられるシャノン。
適度な丸みのあるシルエットも可愛い一足です。
メンズ、ウィメンズともに展開があり、ウィメンズは型がリニューアル後、メンズよりも少し丸みのあるフォルムに変わっています。
また、ウィメンズのみメット(スタッズ)がコバに埋め込まれたシャノン メットも存在します。
アッパーではなくコバに入っていることで、主張しすぎず、さりげないデザインとなっています。
・Burwood(バーウッド)
フルブローグ(飾り穴を施されたウィングチップの革靴)のデザインが美しい内羽根式の革靴。
チャーチではカジュアルラインに使われているラストを採用しており、ドレスシューズよりも丸くボリュームのあるシルエットが特徴的です。
内羽根にすることでカントリーテイストもクラシカルな雰囲気になり、そのバランスの取れたデザインは流石といえるでしょう。
こちらもメンズ、ウィメンズ共に展開があります。
ウィメンズのみ、アッパー全体にメットを施した、一際目を惹くバーウッド メットがあります。
・Diplomat(ディプロマット)
「外交官」という名を持つオックスフォードシューズ。
その名にふさわしい、内羽根、ストレートチップのクラシカルな面にバーウッドより控えめなブローグの装飾が施され、上品な印象。
角ばるわけでも丸いわけでもないそのシルエットは、ファッションともバランスが取りやすく、オンオフ問わず活躍してくれます。
ディプロマットはメンズのみの取り扱いですが、サイズ展開が幅広く、UK5(約23.5cm)からあるので、女性でも足が小さくなければ履ける型です。
チャーチはウィメンズにもこだわりがあり、同じ名前でもシルエットをより女性らしくしたりとこだわりが垣間見れます。
上記でご紹介したシャノンとバーウッドは、メンズがレザーソール、ウィメンズがラバーソールとなっています。
もちろんグッドイヤーウェルト製法ですので、張り替えも可能ですよ。
お好きなデザインを、生活スタイルに合わせてセレクトしてみてくださいね。
まとめ
イギリスが誇るシューズメーカー、チャーチ。
数々の栄光や素晴らしい革靴を世に出していますが、時代とともに進化も遂げています。
古き良きものから他人と被らないモード感漂う新デザインまでを1つのブランドで楽しめるのは革靴ブランドでも珍しい、チャーチならではの魅力ではないでしょうか。