革靴を買うなら靴磨きは覚えろ!

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「自己投資として思い切って高級革靴を買った!でも革が破けてしまって1年でダメになってしまった!」なんて事ありませんか。

 

 

私の周りでも「高い革靴を買ったところで、すぐダメになるから意味がない」と廉価な靴を1年以内に履き潰し、買い換え続ける方がよくいます。

 

私がここでお伝えしたいのは、「良い革靴でもすぐにダメになる」のではなく、「良い革靴をあなたがダメにしている」という事です。

 

ひび割れや破れはメンテナンス不足

 

3万円以上する革靴であればソール交換出来るものが多く、上側の革(アッパー)さえ破れなければ5年、10年ともたせる事ができ、自分の足にフィットした自分だけの革靴に育てていく事ができます。

 

ではなぜ、本来長持ちする革が破れたり、ひび割れたりしてしまうのか。その原因は簡単で「メンテナンス不足」です。

 

革は人間の肌と同じで定期的に汚れを落としたり、保湿や栄養を与えてあげないと硬くなって、ひび割れたりしてしまいます。

 

これだけ聞くと、作業工程が多そうでちょっと面倒くさいんじゃないの?という声が聞こえてきそうですが、そんなことはありません。

 

そこで、靴磨きの工程を1つ1つ丁寧に説明していきます。是非やってみてください。

 

 

 

靴磨き工程

 

革靴にシューツリーを入れる

 

地味に大事な工程です。磨く際には履きじわが伸びた状態でないと手入れが行き届かない可能性があります。

 

【ポイント】

普段からシューツリーを入れて保存する。

 

綺麗な形のまま靴を保存する事が出来ますので、必ず購入頂きたい道具です。

 

ホコリ落とし(ブラッシング)

 

革靴にホコリは大敵です。革靴が持つ油分や水分をホコリが吸い取ってしまい、革の硬化やひび割れの原因となります。

 

そんな致命傷を防ぐ方法として使用する道具は馬毛ブラシ。少し毛先が長く、毛質が柔らかいのでホコリを絡めってくれるのが特徴です。

 

【ポイント】

革靴を履いて出て、帰ったら必ずその革靴にブラッシングを行う。

 

毎日時間をかけて靴磨きをする暇がない時は外に履いて出て帰った際、必ず毎回馬毛ブラシのブラッシングだけはやってください。

 

保湿したり栄養を与えたりするのは毎日行うに越したことは無いですが、忙しいビジネスマンの方はまず毎日行うのはまず無理。

 

平日は帰ってすぐブラッシングをし、休みの日に週1度少し時間をかけてメンテナンスしてあげるだけでも充分長持ちします。

 

やり方としては、ホコリを払い落とすイメージ、少し力が入っても良いです。まずアッパー部分をささっと払い、その後アッパーとソールの間を重点的にブラッシングしてあげてください。

 

汚れ落とし

 

汚れ落とし用の布に靴クリーナーをつけて、革靴へ塗布していきます。ささっと全体を拭いていく要領で構いません。

 

また汚れ落とし用の布は東急ハンズ等でも売っていますが、私は白Tシャツで代用しています。

 

栄養補給

 

革靴には油分補給が欠かせません。汚れ落としを終えたら油分補給をしてあげましょう。

ここで使用するのが靴クリームです。商品により多少違いはありますが、主な成分としては、ろう、油脂、有機溶剤です。

 

使用方法としてはペネトレイトブラシという消しゴム1個ぐらいの大きさのブラシに米粒2個分の量の靴クリームをつけて靴全体に押し込むように塗り広げていきます。

 

イメージとしては革に毛穴があるとして、その毛穴にクリームを押し込めていくような感じ。

 

【ポイント】

クリームを塗りたくるのではなく、薄く伸ばして全体に押し広げていく。

 

クリームをベタベタに塗りたくる方が栄養が入っていく感じもしますが、薄くても充分入ります。

 

また薄い方が後工程でより美しいツヤが出ますのでこの段階では薄めに、且つ毛穴に押し込むように塗布していきましょう。

 

ちなみに私は指で塗布しています。指の方がクリームを薄く、押し込める感覚が触りながらわかるのでおすすめです。

 

再びブラッシング(豚毛ブラシ)

 

靴クリームを塗ったら少し乾燥させ、再びブラッシングです。乾燥のさせ具合は、指で少し擦るとベタつかずにツヤが少し出るくらいが丁度良いです。

 

乾燥が確認できたら豚毛ブラシでブラッシングします。

 

【ポイント】

大きく、力強くブラッシングする。

(革によっては痛む可能性もあるので、軽くやりながら段々強くしていくのがベターかも)

 

このようにブラッシングする事で塗布されたクリームが均等にならされ、革靴へ馴染みます。そして馴らすうちに段々とツヤが現れます。

 

クリームが残らないようにしっかりとブラッシングしましょう。

 

また、もっとツヤを出したいと思われる方は豚毛の後、馬毛、山羊毛と毛質の柔らかいブラシへ移行していく順番でブラッシングするとより輝きを増します。

 

ここまでやれば、靴の栄養補給も充分です。(厳密にいうとデリケートクリームという保湿効果クリームを靴クリーム塗布の前工程で塗ってあげるとなお良いですが)

 

また見た目としても程よく輝きますので、ここまでで靴磨きを終えても充分なレベルになります。

 

 

鏡面磨き

 

さあ、ここからはマニアの世界へと入っていきます。この工程は必ずしも必要な工程ではないのでやってみたい方は参考にしてください。

 

油性ワックスを使用し、主に芯の入った硬い部分(爪先・かかと)をまるで鏡のようにピカピカに磨き上げていきます。

 

まず米1粒分のワックスを指に取り、爪先・かかとの硬い部分に塗り広げていきます。この工程についても薄く、押し込むようなイメージで塗っていきます。

 

塗り終わったら少し乾かし、また塗るという工程を3回程度繰り返します。その後、少量の水で湿らせたネル布にワックスも少量つけて塗り伸ばします。

 

すると乾いていたワックスが少し溶けているようになれば上手くできている証拠です。

最後は少量の水で磨き上げると鏡面磨きの完成です。

 

まとめ

 

いかがだったでしょうか。少し手をかけあげる事で5年も10年も使っていける革靴の魅力に気づかぬまま、一生廉価な革靴を履き潰すだけのビジネスライフはもったいないと思いませんか。

 

自分の歴史を共に歩む「革靴」を育てて自分だけの逸品にしていきましょう。